「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ(JEM-GLIMS)」の初観測データ取得について [ISS/JAXA]

下図は、2012年11月27日午後11時51分44.408秒(日本時間)にJEM-GLIMSが観測した、マレーシア上空で発生した雷放電発光を真上からとらえたCMOSカメラ画像データです。雷放電発光は、空間的に非一様な複雑な分布をしており、約20 kmの空間的拡がりをもっていることが分かります。さらに、この雷放電では近紫外線の強い発光が波長150-280nmのチャネルで検出されています。雷放電が発する高度20 km以下からの近紫外線の光は、大気中のオゾンなどによってほとんど吸収されてしまい、国際宇宙ステーションが飛翔する高度400 kmには到達しません。このため、近紫外線が検出されたことは、雷放電よりもより高い高度での発光、つまり、高高度放電発光現象の発生を示唆しています。

「地球超高層大気撮像観測ミッション(ISS-IMAP) 」の初観測データ取得について [ISS/JAXA]

ISS-IMAPミッションは、地球大気と宇宙の境界領域で大気が光り輝く現象(大気光、プラズマ共鳴散乱光)をVISI(可視・近赤外分光撮像装置)とEUVI(極端紫外光撮像装置)と呼ばれる2台のカメラで観測し、地球の気候変動や衛星通信・GPSナビゲーションシステムの受信障害・精度劣化などの原因をさぐることを目的としています。

このISS-IMAP/VISIの波長762nmの大気光の観測によって、世界で初めて、高度95kmの超高層大気が水平波長数十kmで波打つ様子を宇宙から観測することができました(オレンジ色の中に見える白い斜めの線が1つ1つの波)。

図2は太平洋上空でのEUVIによる撮影です。高度1,000km以上の高高度まで広がる電離圏のヘリウムイオンが光る様子が観測できました。

これは以前「宇宙の渚」でも取り上げられていたスプライトと大気光! HTV「こうのとり」3号機で運ばれたこれらの観測機器が無事初観測に成功したようです。