液体ヘリウムが枯渇、ハーシェル宇宙望遠鏡が今月中に運用終了 [sorae.jp]

 ハーシェル宇宙望遠鏡は2009年5月に打ち上げられ、ラグランジュ点(L2)を中心とするリサージュ軌道で周回している。直径3.5mの主鏡と赤外線カメラなどを搭載し、これまで3年間以上にわたって、宇宙望遠鏡として初の遠赤外線およびサブミリ波の観測を行った。

 遠赤外線観測を維持するためには、観測機器をマイナス271度(絶対零度に近い状態)に保つ必要があり、ハーシェル宇宙望遠鏡には冷却用の液体ヘリウムが2300リットル以上搭載されていた。しかし、液体ヘリウムは常に蒸発をしてしまうため、運用は3年程度だと考えられていたが、いよいよ今月中に枯渇する見込みだ。

これは予定通りの運用終了ですね。赤外線観測においては熱=ノイズなので望遠鏡部分をキンキンに冷やす必要があります。「あかり」も同様に液体ヘリウムによる冷却方式で、これを使い切った後は機械式冷凍機で観測を続行していました。ちなみに次世代赤外線天文衛星として計画しているSPICAはハーシェルと同じくL2に置き、放射冷却を組み合わせた機械式のみで4Kまで追い込みます。