宇宙開発の強化「必要」75% 技術や産業に貢献 期待 [日経]

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 調査では、日本に宇宙開発の強化は「必要」「どちらかといえば必要」が計75%と、高い支持を得た。理由で突出していたのは「日本の科学技術力の向上につながる」。続いて天気予報や防災などのため「自前の人工衛星やロケットが必要」「宇宙関連ビジネスの発展」など。大人に聞いたためか「夢を与える」は18%と意外に低かった。

 今後の強化分野は鉱物や太陽光など「宇宙にある資源・エネルギーの活用」(33%)が最多で、これも単に夢が期待されているわけではないことをうかがわせる。その意味で、日本独自の有人ロケット開発に「賛成」が71%と多数を占めたのは、有人そのものというより、科学技術や産業への貢献が期待されていると解釈すべきだろう。

予算については「現状維持」が最多、時点で「多少増やす」。記事では「節約は求められているようだ」としています。ただ、有人ロケット開発が技術や産業への貢献という解釈はちょっと疑問。有人ロケットはあくまで輸送手段であって、直接的な技術・産業貢献の場としてはISSなどのような恒常的な滞在施設になるはずです。スピンオフといった二次的なものを前提条件に開発するのはここでは本筋ではないと思いますし。また、現状ではソユーズなどの海外の宇宙船によって人員輸送手段を確保していますが、独自で持とうとすれば決して安くはない開発コストがかかります。これも節約とは相反しますよね。どちらかというと事業規模に応じた適正な予算を組むべきというニュアンスではないかと感じました。無論闇雲に立ち上げてよいというものではなく、今後必要とされる基幹技術の確保が求められているということでしょう。
また強化するべきという回答項目では「宇宙にある資源・エネルギーの活用」と「惑星や小惑星の探査」が別項目になっていましたが、宇宙資源を利用するには当然探査技術が必要であるため、これらは単純に別の話として考えるものではないと言えるでしょう。