水星、直径が40億年で14キロ縮小 [ナショナルジオグラフィック]

 これまで、水星の表面の様子は半分もわかっていなかった。メッセンジャー以外で水星に接近した唯一の探査 機、NASAのマリナー10号は、1974〜1975年に3度のフライバイを行い、水星表面の45%を撮影した。

 この部分的データは、研究者たちを不思議がらせた。マリナー10号の画像は、水星が誕生初期の約40億年前、 小惑星に次々と衝突されていたころから、直径にして2〜6キロしか縮んでいないことを示唆していた。これに対 し、惑星内部の熱史に基づくモデルは、その最大10倍の収縮を予測していた。

「今や全体像が得られた」とバーン氏は述べる。今回の研究によって、水星はこれまでに半径にして4〜7キロ収 縮しており、現在の半径は2440キロ(直径はその倍)であることが示された。

 19世紀ヨーロッパの地質学者は、地球に収縮が起こったと考え、山脈は地球の中心核が収縮し、表面にしわが 寄ったことで形成されたとの説を唱えていた。しかしその後、1950〜1960年代に入って、地球の岩石質の地殻は 縮むとしわが寄る一枚の層ではなく、それぞれが独立して動く多数のプレートの集まりだとわかったことで、こ の説は否定された。しかし現在になって、19世紀の地質学者の説は、地球でない惑星においては正しかったこと が証明されたようだ。

全球観測により正確な収縮率を導き出せたようです。