不安残るエンジンに「こんなこともあろうかと」の発想を 新型基幹ロケット、成功の条件(その2) [日経ビジネス]

 しかも日本にとって液体ロケットエンジン2種類の同時開発は初めて。決してリスクは小さくない。開発難航と初号機打ち上げ遅延を見越した“隠し球”を予め開発計画の中に仕込んでおく必要がある。

 H-IIAは、LE-7Aのノズルを短くしたため、初期は打ち上げ能力が低下した。それを救ったのは、予め小型の固体補助ブースター(SSB)を最大4本装着できる設計にしておいたことだった。SSBは「柔軟にニーズに対応するために、打ち上げ能力を変えられるようにしておく」という名目で導入されたが、実際にはLE-7Aの性能低下が打ち上げ計画に影響するのを防ぐ役割を果たした。

H-IIIはエンジンどころか横倒し整備やモバイル管制など全面的な刷新ですから大変です。どれがつまづいても上がりませんしね。もちろんコアとなるのはLE-9とLE-11ですが、H-II8号機でLE-5Bを搭載した時のように先行的にフライト実証するというのもひとつの手かも知れません。開発リスク低減策として、故障モードの網羅的な識別や定量評価、数値解析の充実による高信頼性開発プロセスを導入し開発初期段階で対処できるようにする方針としています。ただ記事に書かれているようにLE-9の要求スペックはうなぎ登りなんですよねw 数値解析の技術は近年かなり充実してきていますから、設計段階でどこまで詰められるかですね。