Y-1ブリーフィング 起こし

今回もNVSさんの中継から起こさせていただきました。ありがとうございます。

打ち上げ時間帯において射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲の発生を予想。新たな打ち上げ日は決定次第お知らせ。
(氷結層についての説明)


26号機のプレスブリーフィング
10月28日から作業開始。11月21日までに電気系作業完了。リハを18日に完了。VOSは22日に完了。全系完了。ガスジェット充填完了。今夜は雷の予報が出たので1時間前倒しで作業を進行中。機体移動は打ち上げ日0時から開始し30分で射座に移動完了。4時に無人化して推進剤充填開始。
主要制約条件。風・雨・雲・雷・高層風。鉛直方向に1.8km以上の氷結層を含む雲、これが今回の延期理由。12月1日には悪くなる。いつ打ち上げられるか検討中。
基幹ロケット高度化の適用について。国際競争力強化の観点から改良開発を行っている。長時間の慣性飛行を行う今回のミッションに対応。第2段液水タンク白色塗装。断熱材の上に塗装を施し太陽光の入熱を減らしている。第2段冷却機能の改良。エンジン冷却のための液体酸素消費量を減らしている。すでにフライト実証済み。


はやぶさ2ミッション概要。準備状況は平成23年から着手し3年半をかけ相模原で完成にこぎ着けた。キセノン充填・化学推進剤充填を行い13日にPAF結合・フェアリング結合・ロケットへの結合を完了しVABでロケットに搭載されている。3つの目的。太陽系科学、サンプルリターンによって宇宙科学を発展。技術。日本独自技術を深宇宙にて発展・継承。探査。人類を宇宙に発展させる。最終ゴールは火星としてNASAは進めている。火星、あるいは別の天体への技術を蓄積するには地球近傍天体が適切。日本がプレゼンスを高めるために貢献する。
打ち上げは当初11月30日であったが天候の影響で延期となった。数日中に打ち上げられるだろう。2年半の動力航行ののち、1999JU3に到着する。リモセンで表面観測、その後複数回のタッチダウン・サンプル採取。人工クレーター生成。内部物質採取。2019年に出発し2020年帰還という計画。
形状・形態ははやぶさ1とほぼ同等。通信には特徴的な2面の平面アンテナ。多くの観測装置。インパクタ。4機の着陸機。

はやぶさ2の主要技術。初代の故障を踏まえ技術開発。イオンエンジン、自動自律化技術、初号機からの発展・改良。JAXA独自のイオンエンジン技術。中和器の不具合は技術開発を行い長寿命化を達成。推力も10mNに発展。GCPNAV。特に注力したのは着陸時に弾丸発射失敗したことへの対応。綿密にソフトウェアを作り検証を重ねてきた。降りられる所に降りる、から降りたい所に降りる、というピンポイント・タッチダウン
インパクタ、平面アンテナ。X帯に加えKa帯。4倍の転送量。信頼性向上のためRWを4台に、スタートラッカを2台に。また化学推進系の調圧系の改良。
科学。直に物質を採取し現場分析ではなく地上の精密な機器で分析する。将来に残すことの意義。
国際協力の枠組みでさらに協力関係を深めている。NASAからは1から引き続き追跡支援。DSNを借りてシームレスに行うことができる。OSIRIS-RExのサンプルと交互に交換することも締結。EUとの強力。DLR、ドイツ。MASCOTランダ搭載。カプセル着陸については引き続き豪州と協力。


質疑

NHK:全国からの注目、多くの観客が既に来ている。
一同30日を目標に進めてきた。その意味では天候は仕方ないが、6年のミッションなので1日で動向成るものではないと思うので更に気持ちを引き締めて遣っていきたい。


鹿児島テレビ:打ち上げ期間の心配は
約1週間ある。11月30日は初日なので日程は残っているので台風などもない。良いタイミングで成功裏に実施したい。


―読売:12月1日以降へとのことだが、現時点では1日を目標に?
できるだけ早くお知らせしたい。1日を目標に進めている状況。


南日本放送H-IIAH-IIBあわせて延期を決めるのは何号機以来か
H-IIA20号機がもっとも最近。同様に氷結層によるもの
―注目の打ち上げが延期。どのようにお考えか
我々としてはひまわりから最短で打ち上げるんだという気持ちだったがいかんせん天候で打ち上げられないのは残念であるが、緊張感を保って引き続き準備を進めていきたい。


NVS:打ち上げ時刻の変更は?
毎日決まっている。毎日1〜2分早まっていく。


―時事:1999JU3の名前はイトカワと同様に名前を考えているのであろうが、いつ頃に決められそうか。どのように決めるか。
MITのラボが発見。命名権はそちらが持っている。是非とも我々に付けさせて欲しいと申し入れ、おおむね受け入れられている。今は打ち上げ作業に集中しているのでまだ具体的に命名をどうするかは考えていない。


NHK:1日打ち上げとなると機体移動は未明になると思うが、あまり天候がよろしくない。
ご指摘の通りだが、今の段階では1日は諦めていない。それ以降の日も検討はしている。氷結層の状況を見ながら検討していく。
―ウインドウが短いなかで良くない天気が続く。プレッシャーはないか。
いたしかたない。H-IIAという強力なロケットシステムのおかげで1週間も確保できている。優秀なシステムを持っていると感じている。種子島に入った時は台風直撃を食らって作業が進められない状況があったが、台風シーズンも過ぎ安定した季節になったのでその意味では楽観視している。


―:2号の場合、ランディングの際どのくらいで映像が撮れるか。瞬間まで撮れるか? 1号機のようにコケてしまった場合の対処法は。?Vを打つ前に
画像は寄附金で搭載した追加のカメラCAM-Cはホーン先端の画像を撮影するので有効に機能すれば着地点画像を取得できると思っている。安全な近傍活動を考えている。はやぶさ1では3ヶ月だけだったが1年半の猶予がある。より高速な通信。1と比べれば比較的十分なデータを電送できる。


―sorae:第2段高度化、フライト実績が取り込まれているが、今回初めて搭載された改修点などは
もともと信頼性は高いが、アリアン5などに比べ能力や価格で格差があった。これを是正し競争力を高めるのが高度化の目的。今回特に注目のミッション、より確実に軌道に投入するためこの高度化を搭載した。


NVS:氷結層の見込みで延期。推進剤充填直前の判断だと思っていたが、現時点での判断をしたこと、ウインドウが短いというところでの判断は
3日くらい前から分かっていた。状況変化を逐次検討していたが、(予想の)信頼度も上がってきているので変わりようが無いということ、30日は1日中同じような状況。最終的には30日は目がないということで延期判断した。
―地球を1周して分離。「あかつき」などの運用経験から?
実はあまり(あかつきのは)よく知らない(笑) M-Vだと固体モーターなので加速度が早い。小さいロケットで一気に上げてしまうのでダイレクトに打っていた。H-IIAは大きいということ、液体なのでより長く燃焼させられるのこと、かつ日本上空で確認できるということで決めたと。


―朝日:当初のウインドウは日曜、非常に多くのちびっ子がくるようだったがそれ以降だと平日打ち上げになる。残念に思っている子供達がいると思うがぜひ一言を
我々も30日を目指してやって来たが天候は人間の力では如何ともしがたい。6年間の旅路のうちたった1日・2日。期待されていた方々は残念に思っていると思うが待って欲しい。我々と一緒に門出を応援して欲しいと思う。


―朝日:この日にやるという判断は打ち上げのどれくらい前に
2日前通知。2日前に行っている。