平成21年宇宙開発委員会(第36回) 議事録 [宇宙開発委員会]

はやぶさ」復活直後の議事録がアップされてました。というか他の議事録も大量アップ。

JAXA(國中)】 帰還運用に関しましては、スラスタ1台で計画しておりましたが、劣化が大分進んできておりまして、当面はスラスタDで運用し、電力が回復した12月からスラスタCとDの2台を並行で運転して、地球に戻すという計画でおりました。つまり、12月には高目の推力が必要であったということでございます。
今回、A、Bの組み合わせ運転によって、従来考えておりましたCやDよりも大きな推力が発生することが確認できましたので、A、B運転で90%ぐらいの能力で地球に戻すという計画を再度立案したということでございます。

JAXA(川口)】 A、B、C、D、四つございまして、Aは打上げ直後に性能確認をしたところ、性能があまり十分ではなく、運転も不安定だったものですから、使うならば最後ということで早期から運用をとめていました。Bのエンジンにつきましては、イオンエンジンそのものが運用時間を重ねるにつれて自然に劣化が進みますので、Bは比較的早目に寿命がきていまして、休止をしていたところです。残るCとDについて、帰路の運転に使おうという計画でおりました。
Cがやはり劣化があらわれてきていたので、CよりもDのエンジンをもっぱら使っていたところ、それが故障したということでございます。

時系列のおさらい。2009年12月からはC・D で行く予定だったがA・Bで代替可能に。必要な増速はA・Bの9割の力で賄える。

【森尾委員】 最後、うまくいって、地球にカプセルが帰ってくるっていうときは、地球上のどの辺にカプセルが落ちるとかですね、ちょうどうまいぐあいに大気圏に突入する角度の調節とか、そのときが一番、軌道変換量がたくさん要るということなのでしょうか。

JAXA(川口)】 いえ、地球に帰還するのは来年6月なのですが、3月、あるいは4月に微調整をいたします。距離が遠いので、残り時間が非常に長いものですから、その操作に要する軌道変換量はそれほど多くはないのです。

【森尾委員】 そうですか。

JAXA(川口)】 ただ、このイオンエンジンしか使うことができませんので、1日ぐらい、少し時間はかかるかもしれません。
最後に一つ宣伝をさせていただくと、このエンジンのこういう運用は國中さんと國中さんのチームが設計したんですけれども、打上げ前に、そういうバイパスの回路を組み込んでおいたことが、この復旧運用を可能にしているということで、設計が大変よかったのだと思っております。

カプセル投下のための軌道調整は春先に実施するらしい。

JAXA(川口)】 ただ、このイオンエンジンしか使うことができませんので、1日ぐらい、少し時間はかかるかもしれません。
最後に一つ宣伝をさせていただくと、このエンジンのこういう運用は國中さんと國中さんのチームが設計したんですけれども、打上げ前に、そういうバイパスの回路を組み込んでおいたことが、この復旧運用を可能にしているということで、設計が大変よかったのだと思っております。

「こんなこともあろうかと」の極致。

【池上委員】 いいですか。また「はやぶさ」に戻ります。
会津大学のメンバーが参加していることもあって、私個人的には「はやぶさ」への思い入れが深いのですが、JAXAのホームページで「はやぶさ」関連のビデオクリップがありますね。あれ、是非いいものにしてほしいんですよ。ストーリーとしてわくわくする部分がたくさんありますので、それに今回のストーリーも入れた改訂版を作っていただきたい。それ、是非お願いします。

はやぶさ」はストーリー的にもこれからがまさに佳境なのでいずれにしても改訂は必須ですねw