宇宙線ミュオンを用いた原子炉の調査 [KEK]

計測は2012年2月から2013年12月まで行われました。核燃料は、①核燃料を保管するコンクリートでできた構造物や格納容器や水などと較べて高い原子番号と比重を持ち、その実効比重も3ぐらいと比較的大きく、ミュオンの減衰(物体によって吸収あるいは散乱される減少)量が大きくなること、②ブロック状に固まって存在することなどから、ミュオンの減衰が特定の場所で観測されるといった利点を考慮してデータ解析を行いました。

その結果、それぞれの観測地点で、原子炉建屋内部について、図4に示すようなイメージが得られることがわかりました。

さらに、3つの地点で観測したデータを用い、位置と大きさの特定された使用済み燃料プールの場所と、核燃料、および原子炉格納容器の外形形状を18度ごとの異なった視点で再構成した結果、図5に示す通り、核燃料と考えられる重い物質、使用済み燃料プール及び格納容器に対応するイメージを得ることに成功しました。

これは以前地下のマグマを観測するのにも使われていた手法でしょうか。これは内部の状態を把握するのに非常に有用ですね。