はやぶさ2、開発費は148億円に 初代+20億円余 [朝日]
「はやぶさ2」の詳しい内約が出てました。
宇宙航空研究開発機構は16日、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機となる「はやぶさ2」の機体開発費が総額148億円になるとの試算を文部科学省の宇宙開発委員会の部会に提出した。はやぶさの開発費127億円よりは装置の追加や原料コストの上昇でやや高め。これ以外に打ち上げに使うH2Aロケットに100億円程度、打ち上げ後の運用に約16億円かかる見込み。
川端達夫文科相は同日、はやぶさ2の開発について「政府全体の宇宙方針にかかわること」として、仙谷由人官房長官と前原誠司宇宙開発担当相(国交相)に宇宙開発戦略本部での検討を要請したことを明らかにした。
はやぶさ2は地球と火星の間の軌道にある小惑星を目指す。はやぶさが行った「イトカワ」と違い、有機物を多く含んでいるとみられる。地球に接近する2014年に打ち上げ、18年の到達を目標にしている。(行方史郎)
なるほど、先日の毎日の記事では打ち上げ費用を含めた総額が270億とありましたが、開発費は148億でその他にもランニングコストなど色々あるようです。ちなみに「はやぶさ」については昨年末の時点で約210億円とありました。
■はやぶさ後継機に164億円 [NHK]
こちらには「HAYABUSA」制作元が作成したと思われる「はやぶさ2」のCG動画もあり。しっかり炸裂してます。
小惑星から岩石を持ち帰るという世界初のチャレンジをした小惑星探査機「はやぶさ」の後継機について宇宙航空研究開発機構は、生命の起源につながるとされる有機物を含んだ別の小惑星を目指すため、はやぶさよりも機体の開発に費用がかかるとして164億円の開発費が必要だとする試算をまとめました。
ここでの164億は開発費と運用費の合計ですね。
「はやぶさ」の後継機は、はやぶさが着陸した「イトカワ」とは異なるタイプの有機物や水を多く含む小惑星を目指す探査機で、宇宙航空研究開発機構は、2014年の打ち上げを目指しています。打ち上げから4年後に小惑星に到達し、岩石の採取を試みたあと、2020年に地球に帰還する計画で、有機物を含む岩石を詳しく調べ、生命の起源に迫る研究につなげたいとしています。この後継機について宇宙航空研究開発機構は、トラブルへの対処や信頼性などを上げるため、はやぶさよりも機体の開発に21億円多くかかるとして164億円の開発費が必要だとする試算をまとめました。はやぶさの後継機の開発をめぐっては、去年の事業仕分けなどによって今年度の研究費が大幅に削減され、開発が遅れているなどとして、宇宙航空研究開発機構は「1日も早く開発を始めないと2014年の打ち上げに間に合わなくなる。ことしじゅうに開発段階に進みたい」と話しています。
■はやぶさ後継機、開発費148億円に 14年打ち上げ [日経]
文部科学省の宇宙開発委員会が同日開いた専門部会で、JAXAが後継機の詳細計画を報告した。機体の開発費にソフトウエアサービスなどを含む運用費約16億円を加えると、後継機プロジェクトの総額は164億円になるとしている。
地球帰還は2020年。「はやぶさ2」はカプセル投下後も後期ミッションを盛り込む予定なので、その分も運用費増加に含まれていると思われます。
■はやぶさ後継機は164億と試算 宇宙開発委部会 [共同]
部会で説明した宇宙航空研究開発機構によると、内訳は機体開発費が148億円、運用経費が16億円。機体開発費がはやぶさの約127億円より高くなる理由として、信頼性の向上や新しい装置の追加、原材料価格の上昇などを挙げている。
約21億増えた開発費については、「はやぶさ」をベースにした信頼性向上や新機能の追加、素材の値上がりなどがあるようです。
まとめてみると、
探査機名 | 開発費 | 打ち上げ費 | 運用費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
はやぶさ | 126億 | 64億+α(M-V) | 7億(7年) | 約210億円 |
はやぶさ2 | 148億 | 100億(H-IIA) | 16億(7年以上) | 約264億円 |
こんな感じでしょうか。大雑把に見て約54億円の増加で、打ち上げロケットの変更と開発費が大半を占めるようです。ただロケットについてはH-IIAが今後更にコストダウンする可能性もありますのでこの限りではありません。まあ開発費増だなんだといっても他のプロジェクトに比べたら随分格安だと思いますけどね。特にNASAの類似計画に比べたら…